Harness Racing VictoriaがBrightcoveを活用して、視聴者のエンゲージメントと効率を高めた方法
オーストラリアのビクトリア州全域で、28のクラブが、ハーネスレースというペースの速いアクションスポーツをファンに提供しています。これをすべて監督しているHarness Racing Victoriaは、このスポーツには観客を引きつけて魅了する驚くべき可能性があるものの、その可能性を十分に引き出せていないと考えていました。そこで、Brightcoveと提携することで、動画を使用して新しい興奮を引き起こし、組織としての効率を高めています。そして何よりも、熱心なファンの基盤拡大によって、このスポーツの楽しみ方を変えています。
Harness Racingは後れを取っていた
ハーネスレースにはさまざまな面白さや激しさがあるにもかかわらず、その人気はオーストラリアだけでなく、世界全体であまり高くありません。なぜでしょうか?高齢化がその大きな理由の1つです。このスポーツは一般的に高齢者向けで、有意義な方法で若い世代にリーチしていませんでした。これは大きな問題でした。ファン層が縮小し続ければ、深刻な波及効果をもたらす可能性があります。ファンが少なくなると、レースに対する需要が減少し、レースプロの需要が減少し、馬そのものへの需要も減少します。これにより、ハーネスレース体験全体が苦しむことになり、競争の激しいレース賭博業界から取り残されてしまいます。
しかし、Harness Racing Victoriaのコミュニケーションチームとテクノロジーチームは、この現状を受け入れることを拒んで、以下のような3つの大きな機会をつかむ計画に着手しました。
- 賭けレースがもつ大きな可能性と人気を活用する。
- デジタル視聴体験により、可視性とエンゲージメントを高める。
- 最適な若い年齢層(18~35歳)とつながる。
どうすればこのすべてを達成できるでしょうか?それは、動画です。「動画コンテンツに対する真の欲求がありました」と、Harness Racing Victoriaのメディアおよびコミュニケーション部門ゼネラルマネージャー、Cody Winnell氏は言います。「オーストラリアでのハーネスレースの観戦方法を実際に変えられることがわかりました」
動画はファンの体験をより魅力的にする
2018年にHarness Racing Victoriaは、ハーネスレース専用のストリーミングプラットフォームTrotsVisionをローンチしました。当初は、レースのみを配信する「自動サービス」として開始し、Harness Racing Victoriaはそれをさらに進めることになります。ここでBrightcoveが登場しました。Brightcove Cloud Playout、Live、Video Cloudを使用してあらゆるニーズに対応する堅牢なプラットフォームをHarness Racing Victoriaに提供しました。
このリニューアルされたTrotsVisionは、ファンにまったく新しい体験をもたらしました。視聴者は、レースの舞台裏を目撃して、レース以外のさまざまな側面を楽しむことができるようになりました。さらに、TrotsVisionは、「ヘルメットの中の顔」に焦点を当てることで、騎手に対する新たな視点を提供し、機知に富んだ興味深い騎手の個性を伝えることにも成功しました。視聴体験では、人気のある曲でファンを引きつけたり、有名な映画やテレビの引用で楽しませたり、ソーシャルメディアでコンテストの発表をしたり、賞品を出したりできます。
TrotsVisionは、レース場の域を越えてこのスポーツの興奮を体験したかったファンにとって、常時接続のタッチポイントとなりました。このデジタル拡張は、スポーツブランドのオンデマンド視聴やエンターテインメントに対する期待も大きい若い視聴者にとって、非常に魅力的でした。
このように体験が向上したことは、大幅な成長促進に役立つと、Cody Winnell氏は述べています。「TrotsVisionは毎月、全体の視聴者をどんどん増やしています。その視聴者の一部は、レース場に来場しなくなるかもしれません。しかし視聴者の数は全体的に増え続けていくので、問題ありません」
Brightcoveとの提携後、TrotsVisionの再生回数は2021年8月の54,894から、2022年1月には83,292に伸びています。さらにTrotsVisionのおかげで、Harness Racing Victoriaの18歳から35歳までの視聴者数が250%増えました。同じ期間に、Harness Racing Victoriaの視聴者全体が76%増加したのですが、この年齢層の拡大は、他のすべての年齢区分を大きく上回っています。
この視聴者の増加により、TrotsVisionはいずれ、スポーツベッティングをはじめ、広告やスポンサーシップなどの収益化機会を実現する収益推進ハブとして位置付けられるでしょう。
社内の効率性を活用する
Brightcoveのテクノロジーは、視聴者の増加と若年層の獲得に加えて、Harness Racing Victoriaの組織的効率性の大幅な向上にも寄与しました。「Brightcoveのことを知れば知るほど、求めていたのはこれだと気が付きました」と、Harness Racing Victoriaのデジタル開発者であるDarren Skillen氏は語っています。「Brightcoveは、すべてを1か所にまとめられるソリューションを提供してくれました」
TrotsVisionにより、社内の動画ライブラリを馬や騎手別に効率的に検索できます。これにより、「スチュワード」と呼ばれるレース審査員が、個々のレースを審査できます。これは大きな変化でした。この動画ライブラリができるまで、スチュワードは実際にオフィスを訪れて、アーカイブから関係するものを取り出して読み込み、表示してから元に戻すという手順が必要だったからです。それがもう不要になりました。ボタンをクリックするだけで、約18か月分のリプレイがデジタルで利用できるようになりました。
さらに、Brightcoveのテクノロジーにより、APIを使用して各リプレイにレース情報を付けられるようになりました。Harness Racing Victoriaはこの機能を利用して、カスタム検索機能のある、リプレイのオンラインギャラリーを作成できるようになりました。ここで、誰でも馬や騎手などを検索できます。このまったく新しい効率性は、スタッフとファンのどちらにとっても大きな前進でした。
統合ソリューションによって、組織のソーシャルメディアチャネルも強化されました。以前は、ソーシャルメディアでレースの映像を公開するためには、チームがレース動画をダウンロードして、それを編集プログラムに送信し、使用するポイントを選択してエクスポートし、90分後にようやく投稿できました。しかし、Brightcoveのテクノロジ―を活用すれば、コンテンツをライブで切り取って、投稿するだけで、レースのハイライトをすぐに共有できます。コンテンツを求めている視聴者にとって、このように新鮮で関連性の高い素材に勝るものはありません。
馬の競争であろうと、視聴者の獲得競争であろうと、勝てば得るものが多く、負ければ失うものが多い点は共通しています。Brightcoveは、Harness Racing Victoriaとの提携を喜ばしく思っており、今後も動画を通じて同社を支援していきます。