DXのための人の活かし方 - メディア企業が "人 "を中心に考えるには
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あらゆるメディア企業の中核をなすものは人材であり、労働力、才能、文化、スキルのいずれの形であれとても重要です。『A+E Networks EMEA』のデジタル担当副社長Julie Mitchelmore氏は、『2021 DPP Leaders' Briefing』において「技術、収益、業務の変化をもたらすのは人材であり、その逆ではない」と述べています。
米国のメディア企業が業界動向について議論する『Leaders' Briefing』というイベントでは、複数のシニアリーダーが出席し、自社におけるテクノロジーリーダーシップの最大の課題は「人を中心に展開されている」と述べました。その課題を克服する鍵のひとつが「スキルアップ」です。
スキルアップは機能横断的に開発される
今日のメディア企業は、急速に変化する視聴者をめぐって激しい競争に直面しています。パンデミックのような予測不可能な事態の発生を考えると、サービスは数年ではなく、数ヶ月で変化する必要があります。これに対し、開発チームはウォーターフォール方式からアジャイル方式に移行することで、変化に対応した新しいサービスの提供に挑戦しています。
『Gartner Research』は、2018年のGartnerの調査で、この傾向を指摘しています。「デジタル・イノベーションのために、プロダクト管理領域までテコ入れしたアプローチに移行する組織もあるだろう。」 またその1年後に実施された、別のGartnerレポートでは「DXで成功するためには、特に大企業は、部門横断的で顧客の課題解決を目指して組織された構造に再編する必要がある」と述べています。
部門横断型チームへの移行は、部門間のサイロを取り払い、機能別チームをプロダクト別チームに変える大きなマインドシフトです。実際『Sky UK』や『A+E Networks EMEA』『Norwegian Broadcasting Corporation (ノルウェー放送協会) 』などのヨーロッパの放送局の多くは、すでに短期間のマイルストーンに焦点を当てたプロダクト主導のチームに移行し、毎週、毎月の確認を行っています。 予測不可能な未来によって長期的な計画が妨げられる現在、これは非常に現実的なモデルです。こうすることで、予期せぬ変化にも素早く対応することができるのです。
スキルアップがスタッフの定着を促進する
スキルアップには、スタッフの定着率を高めるというメリットもあります。従業員が会社や自分の所属するチームのことを理解している方が、企業は成功するものです。そのためには、異なる部門間のコミュニケーションを促進する必要があります。
例えばノルウェー放送協会では、年配の社員が若い社員に自分の経験を伝えることで、多世代のチームを活かしています。職場において、包括性と多様性を意識し、キャリアのどの段階であっても、チーム全体の経験を活用することが重要です。
スキルアップはデータ駆動型のビジネスを可能にする
『Technology Leaders Agenda 2021』の調査結果は、「データ活用、イノベーション、スキルアップへの取り組みは、当面の間、テクノロジーリーダーの課題になりそうだ」と伝えています。実際、「回答者の68%が、今年取り組む優先順位トップ事項として、データ統合とITインフラ基盤の整備を挙げている」のです。
優れたメタデータは、メディア企業のITインフラ内の燃料となり、ビジネス上の意思決定や業務に活力を与えますが、システムやベンダーごとに異なる一貫性のない不正確なメタデータは、問題が発生する原因になってしまいます。
適切なメタデータを検索するスキルを持つ社員がいれば、企業は顧客を理解し、それに応じてプロダクトを開発することができます。サードパーティ Cookieの撤廃がユーザー追跡を困難にしている現在、統一された顧客体験を提供するためには、メタデータ主導のオムニチャネル・アプローチが必要とされています。
例えば、オランダのメディアネットワークである『RTL Nederland』は、デジタル拡張機能を50から4に減らしました。これは、オランダのようにSVODサービスの競争が盛んな国において、特に重要なことです。複雑さを軽減することで、ユーザーを深く分析することができ、ユーザーだけでなく広告主、ひいては自社の価値を最大化することができるようになりました。
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テクノロジーは、最終的には人によって支えられているものです。しかし、テクノロジーは人々の役に立つものである必要があります。
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