インタラクティブな動画をつかってROIを把握

企業がマーケティングに投資するようになって以来、マーケティング担当者にとってROI（投資収益率）の算出は悩ましい課題となっています。コンテンツが購買の意思決定に影響を与えるという複雑な性質を考えると、マーケティングタッチ数と売上高の相関関係を明確に1対1で説明することは非常に困難な場合が多いのです。

動画マーケティングの測定基準が豊富にあったとしても、インパクトを正確に示す方法には不確実性が残ります。どの指標を測定し、いつ収集し、どのような重み付けをするかは、キャンペーンの目標によって異なる可能性があります。

多くの新しいツールやイノベーションが、動画マーケティングのROIへの道筋を明確にしてくれますが、インタラクティブ動画もその一つです。

インタラクティブ動画で点と点を結ぶ

動画コンテンツは、すでに測定基準が豊富にあります。マーケティング担当者は、視聴回数だけでなく、リピート視聴、視聴時間、再生スクラブ、視聴前後の行動によって、潜在顧客のバイヤージャーニーの全体像がどのように描かれるかを知ることができます。

インタラクティブ動画は、動画を見るという体験を受動的な行為から、ある種の能動的な会話に変えます。この会話の中で、マーケティング担当者は、購入者が動画の中で再生以外の行動を取る機会を作ることで、さらに深い測定基準を得ることができます。

簡単にオプトインできるようにする

理想的な世界では、マーケティング担当者は常に自分たちのコンテンツに接触した人を把握し、認知からコンバージョンまでの購買経路を追跡できます。

現実には、マーケティング担当者がユーザーデータを収集する方法は変化しています。サードパーティ・クッキーの廃止は、マーケティング担当者がオンライン上の行動と現実の顧客とを結びつけるために、顧客がジャーニーの途中のある時点で進んでデータを提供する必要があることを意味します。

消費者は、頼まれたからデータを提供するのではなく、何か価値あるものと引き換えに受け取らなければならない。だからこそ、コンテンツ・フォーマットとしての動画の成功と、インタラクティビティの会話的な性質を組み合わせることが、価値交換を生み出す最も簡単な方法のひとつとなります。消費者が力を与えられ、話を聞いてもらえたと感じれば、より積極的にオプトインするようになるのです。

インタラクティブ動画は、オプトインを促進する簡単な方法を提供し、それが功を奏しています。インタラクティブな機能を使用することで、消費者が購入に至るまでの従来のステップを回避したり、オプトインが良好な会話の自然な結末のように感じられるようにすることができます。

＜ショッパブルビデオ＞

ショッパブルビデオは、カートへの追加機能を備えており、購入者は商品紹介動画の視聴から、すでにカートに入っているオンラインストアへ直接アクセスすることができます。これにより、購買意欲の喚起と販売時点の間にあるいくつかの手動ステップの摩擦が解消されます。これらの売上は、シンプルでわかりやすく計上されます。

＜リードジェネレーション＞

動画マーケティングでコンバージョンステージを特定することは、インタラクティブな動画を使えばさらに簡単です。製品紹介の動画にチャプターを追加することで、視聴者は「いいとこ取り」をして、意思決定に必要な具体的な情報を見ることができます。リードジェンフォームを動画に追加することで、顧客の関心が最も高いときにオプトインすることができます。

インタラクティブ動画への賛同を得る

インタラクティブ動画がこれほど強力なツールであるなら、なぜもっと多くのマーケターがそれを利用しないのでしょうか？

インタラクティブ動画を阻んできたものの多くは、教育の必要性に起因しています。

CMOはおそらく、インタラクティブなコンテンツの制作方法のコツには興味がないでしょう。しかし、インタラクティブ動画が今日のオーディエンスにどのように作用し、ブランド差別化、パーソナライゼーション、エンゲージメント向上、より強固な測定基準など、現在のマーケティングトレンドやベストプラクティスに適合するかを説明すれば、CMOは元気になるはずです。

＜強力なブランド差別化＞

動画は、すでにブランド認知を高めるための素晴らしいツールです。ブランドキャンペーン動画にインタラクティブ性を持たせることで、視聴者をそのブランドの瞬間に引き込むような体験を作り出すことができるのです。

ブランド認知の面では、そのメッセージの保持が、まだ購入を積極的に検討していないお客様を惹きつけ、購入の準備ができたときに真っ先にブランドを思い浮かべてもらうための鍵となります。

それは、ブランド認知とブランド想起の違いに起因するものです。インプレッションやビューは、ブランド認知を高めることができます。しかし、売上に貢献するのは、ブランド・リコール（見るまでもなくブランドを思い出すこと）です。インタラクティブ動画に参加することで、顧客の心の中にブランドとの強い結びつきが生まれ、ブランド・リコールが増加し、ブランド・キャンペーンのROIに影響を与えることができます。

＜パーソナライゼーションの機会＞

パーソナライゼーションは、オーディエンスの注目を集めるための最短の方法です。

インタラクティブ動画は、次に見る動画の提案、視聴者の興味を判断する質問、視聴者にとって最も重要な製品の機能をスキップして探索できるインタラクティブな製品概要など、視聴者の購買決定を導く多くの機能への扉を開くものです。

＜エンゲージメントの加速＞

今日の消費者は、講義よりも会話に興味を示しています。私たちは、フィードバックができる環境でちょっとした短い情報を消費する習慣があります。

最近のデータによると、マーケターの70％が、エンゲージメントの観点から、自社のインタラクティブ動画のパフォーマンスは良かった、または非常に良かったと回答しており、パフォーマンスが悪かったと回答したのはわずか1％でした。

インタラクティブ動画は、視聴者に質問を投げかけるチェックポイントを動画に頻繁に加えることで、エンゲージメントを高めることができます。これらの質問は、教育用の動画ではクイズ、製品デモ用の動画では好みのヒアリングなど、体験に合わせて調整することができます。このように、エンゲージメントを高めるために、チームは創造力を発揮することができます。

＜詳細なデータ＞

ブライトコーブのウェビナー「Supercharge Your Video with Interactivity」で説明したように、インタラクティブ動画キャンペーンを業績に結びつける鍵は、他のマーケティング活動のより広い文脈でこの戦術の影響を理解するための統合分析にあります。

Brightcove Interactivity のようなソリューションを使用すると、マーケティング担当者は、以下を含む幅広いメトリクスを追跡できます。

• 動画からランディングページへのクリックスルー率
• 動画内投票・アンケートの投稿率
• 個々のリードと見込み客の真のエンゲージメント（滞留時間、スキップ、特定セクションの再視聴を含む）
• 質問に対する直接の回答（ユーザーおよび視聴者レベル）
• 映像の特定箇所への視聴ナビゲーション率

これは、内部ベンチマークに基づく ROI を測定するための 1 つのモデルです。前述のように、インタラクティブ動画の指標の選択と重み付けは、組織とその目標によって異なりますが、このコンテンツ形式が、統合分析エンジンの燃料となるデータを大量に提供することは明らかです。

会話をスタート

インタラクティブ動画は、視聴者とブランドの間で双方向の会話を始めることができる点が特徴です。

インタラクティビティは、視聴者にパワーを与え、パーソナライズされた体験を向上させます。視聴者は、動画内のメニューを操作したり、インタラクティブなクイズに参加したり、動画の機能で買い物をしたり、リアルタイムに反応することができます。

そして何より、このジャーニーをずっと計測し、追跡することができるのです。