動画マーケティングの先駆者たち:動画と自社のテクノロジースタックを統合
Marketing
編集者注:このブログは、2016年6月6日にOracle Marketing Cloudのブログで「1:1 Conversations content series」の一部として公開された内容に、新たなコンテンツや動画を加えて更新したものです。
私はエグゼクティブコミュニケーションの分野で駆け出しだった頃、CEOやCOOが社内外のイベントで使用する動画を制作していました。同じ動画を会社のサイトやイントラネットにアップして、場合によっては録画したスピーチもビデオ・オン・デマンド(VOD)で配信していましたが、それで終わりです。幹部のプレゼンが好評を博したら、自社サイトに見栄え良くアップし、YouTubeにも投稿。この3つの方法でメッセージを公開したら、次のプロジェクトに移っていました。
昨今のマーケターやコミュニケーターは、視聴者の体験を総合的に注視しています。あらゆる業種の企業が気付き始めているように、コンテンツとデータを統合する仕組みを整備して、オーディエンスの心を動かし、満足させる体験を演出しなければなりません。
「統合したプラットフォームは一貫したカスタマーエクスペリエンスを実現する上で役立ちます。これは、すべての企業が素晴らしいカスタマーエクスペリエンスを提供するため、全社的に利用すべきプラットフォームで、集中投資すべき分野です。誰もが同じCRM、同じマーケティング・オートメーション・プラットフォーム、同じ動画プラットフォームを利用すれば、こうした要素を融合して素晴らしい体験を演出できます。」
Anita Brearton(CabinetM 創業者 兼 CEO)
駆け出しだった私は、デジタルマーケティングが成熟するにつれて成長し、デジタル戦略の成功は往々にしてテクノロジースタックの全要素を連携できるかどうかにかかっているということを学びました。今回は、ご覧のとおり、動画マーケティングメンター(組織のあらゆるレベルで動画を活用することの価値を理解しているコミュニケーションのプロ)の方々にインタビューさせていただきました。会話の中で説明いただいたのは、オンライン動画プラットフォーム(OVP)と既存のテクノロジースタック(CMSやMAP、CRMなどの重要なテクノロジー)を統合すれば、動画への投資を最大限に活用できるという点でした。ワークフローを効率化し、体験を強化すれば、マーケターは顧客や見込み客との長期的な人間関係の構築に注力することができます。しかも、全社横断的な動画プラットフォームとeCDNやシングルサインオン(SSO)を統合すれば、ITや人事などの社内コミュニケーションでこうした共通システムを利用することも可能になります。以下では、動画を社内の技術エコシステムに組み込むさまざまな方法をご紹介します。
全社横断的な動画の活用に関する記事
CMSとOVPを連動させる
コンテンツ戦略の管理は大変ですし、コンテンツを1カ所に集約するのも大変です。社内の各レベルで動画を扱うコミュニケーターやストラテジストは、無数のシステムからアセットを収集し、社内のさまざまなパートナーと連携するために1日の大半を費やしています。そこで、効率的なコンテンツワークフローを整備し、システム横断的に機能するアセットライブラリーを維持することが非常に重要です。OVPをCMSに連動させれば、どんなメリットがあるのでしょうか?OVPからCMSへのコネクターやメディア管理APIを通じて、動画がウェブパブリッシャーへ自由に流れれば、コンテンツの発行を担当する社内スタッフは誰でも動画にアクセスできるようになります。OVPとCMSが連動すれば、タグにもとづくダイナミックパブリッシングや自社サイト上の動画検索も可能になります。いまや動画は、デジタルマーケティングや社内ワークフローになくてはならないものですし、そこから切り離せません。そこで、マーケティングキャンペーンに動画がどう役立つかを見てみましょう。
動画データをマーケティング・オートメーション・プラットフォームに統合する
マーケターはマーケティングオートメーションによって見込み客や顧客一人ひとりの全体像をつかみ、CMSやOVPでモニタリングしたデジタルコミュニケーションを活用することができます。マーケティングオートメーションを実現すれば、CMSやOVPの解析機能を生かして各人の関心事をもとにコンテンツを配信し、適切なタイミングで、適切な相手に、適切なコンテンツを提供することが可能になります。動画を戦略的に導入すれば電子メールの開封率やCTR、ランディングページのコンバージョン率が向上し、リードジェネレーションにつながります。動画の視聴中または視聴後に、MAPに特化したプロファイリングフォームやプログレッシブ・プロファイリングフォームをあらかじめ用意しておき、そこからリードを集客することも可能です。繰り返しになりますが、動画データをMAPに取り入れれば、こうしたリードを絞り込み、分類し、育てる上で役に立ちます。動画とマーケティング・オートメーション・プラットフォームを統合すれば、マーケティング活動の管理を強化し、ROIを向上することができます。
CRMに動画解析やコンテンツ嗜好を取り入れる
CRMは対話を強化し、情報でマーケティングとセールスのギャップを埋めます。そのCRMの原動力となるのはOVPやCMS、マーケティングオートメーションによって提供される豊富なデータです。CRMやマーケティングオートメーションのプラットフォームにOVPを統合すれば、セールスチームの顧客対応全般にわたって効率や効果を高め、ターゲットを絞り込むことができます。セールススタッフは総合的なプロファイルを好みます。こうしたシステム間でデータをやり取りすれば、どんな動画が視聴されているか、コンテンツがどの程度消費されたか、マーケティングオートメーションによってどの追加コンテンツが配信されたか、そして、こうしたマーケティング活動のどの時点で各人がセールス対象のリードになったかが明らかになります。こうした情報を総合すれば、パーソナライズしたフォローアップを実施し、見込み客の体験を向上しながら、セールスチームのコンバージョン率やアップセル率を向上することができます。
SSOとeCDNでセキュリティを効率化
社内のコミュニケーターはさまざまなチャンネルやキャンペーンにまたがって動画マーケティングを展開するマーケターほど幅広いテクノロジースタックを必要としてはいないかもしれませんが、社内コミュニケーションには独自の課題があります。テクノロジースタック・エコシステムにおける重要なパートナー、IT部門は社内に限定したコミュニケーションのセキュリティを確保し、社内オーディエンス(社員、フランチャイズオーナー、パートナーなど)だけがアクセスできるようにしておかなければなりません。シングルサインオン(SSO)方式で一元管理すれば、特定の社員が新しいサイトで特別なパスワードを入力しなくてもシームレスに動画を視聴できるようにすることが可能です。これらはすべてファイヤーウォールの内側で行います。SSO方式では、既存のユーザー管理ソリューションに動画を取り入れ、ITや人事をはじめとする社内コミュニケーションの管理スタッフに動画コンテンツのアクセス権限を集中管理させることもできます。
動画プラットフォームとeCDN(エンタープライズ・コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)を統合すれば、社内のオーディエンスがライブ配信やVOD配信を同時に視聴しても、会社のネットワークがふさがってしまう心配がありません。eCDNは帯域幅の利用や待ち時間、バッファリングを最小限に抑えるため、コンテンツを最高の解像度で配信し、最高水準で再生しても、イントラネットが停滞することはありません。社員1万人の会社で、タウンホールでのCEOのライブ映像を全員が視聴した場合のネットワーク負荷を想像してみてください。eCDNとOVPを統合すれば、会社のネットワークをダウンさせることを心配せずに、配信するコンテンツに集中できるのがいいですね。
動画解析とキャンペーン実績に関するレポーティング
コンテンツとデータの融合には解析がつきもの。マーケターやコミュニケーター、セールスチームをはじめ、皆さんデータが大好きです。動画指標は、キャンペーンや単一コミュニケーションの効果を判断する上で最も参考になるツールの一つです。統合型プラットフォームで解析を行えば、動画コンテンツのパフォーマンスを把握し、その情報をWeb開発やビジネスインテリジェンス、セールスの各チームと共有することができます。テクノロジースタックとの統合は、社外の動画マーケティングキャンペーンにも、事業目標や実績を踏まえた社内コミュニケーションにも役立ち、投資対効果を実証します。
「私たちはマーケターとして、利用しようとするテクノロジーだけでなく、あらゆる既存テクノロジーとの融合、それを活用する必要がある他の部門についても検討していますが、十分な時間はかけられていません。」
ジョー・ピュリッジ(コンテンツマーケティング・インスティテュートの創業者)
マーケターや社内のコミュニケーターは動画の実績や独創性を求める一方で、効率的なワークフローも追求しています。これは、テクノロジースタックのちょっとした知識が役に立つ分野です。RESTful APIやWebhookなどに詳しい必要はありません。動かせばいいだけですから!真のインテグレーションを実現すれば、社員や見込み客、顧客の記憶に残る体験を演出し、デジタル分野やマーケティング分野の既存プラットフォームを有効活用することでIT部門を満足させ、ひいては全社的な売上やROIを伸ばすことができます。
次回:自社の動画コンテンツをグローバルに展開する準備は整いましたか?
詳しくは、以下の動画、または「動画マーケティングの先駆者たち:グローバル企業で動画を展開する」というブログをご覧ください。